サンタ通信No293(12)表 R5.12.18発行

インフルエンザの流行が拡大中

 今年はコロナ禍から普通の生活に戻ってきた1年でした。海外旅行に行く時にコロナワクチンの接種済証明書が必要だったり,日本に戻ってから隔離が必要だったりした頃と比べると,コロナ前と同じように何の制限もなく,海外に行けるようになりました。ただ,日本ではまだスーパーなどの室内ではマスクをされていらっしゃる方が多いですね。私が訪れた今年の訪問先,フィリピン,クロアチア,ラオスではたまに高齢者がマスクをされているのをみかけただけでした。

 さて,最近1週間(12月3日~12月10日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,インフルエンザA型で週48人でした。その他は,溶連菌感染症3人,手足口病3人,感染性胃腸炎3人,咽頭結膜熱2人,ヘルパンギーナ1人でした。やはり,インフルエンザの大流行が続いています。これから本格的な流行シーズンを迎えますので,今年の冬は大変になるかなと思います。インフルエンザの検査キットも供給が追いつかなくなり,インフルエンザ単独の検査キットはすでに手に入りにくくなっています。昔,夏に新型インフルエンザが流行し,検査キットがなくて,問診と診察だけでインフルエンザの診断をしたことがありましたが,その悪夢が再びという感じです。インフルエンザの薬も供給不足になる心配があります。

 溶連菌感染症も増えてきました。発熱患者の周囲に溶連菌の人がいるようなら,検査で溶連菌かどうかを確認した方が良いです。溶連菌の場合は,抗生剤の内服を少なくとも1週間は続ける必要があるからです。数日の服用で一時的に解熱し,改善がみられますが,すぐに再燃します。これを繰り返している間に,家族や学校・幼稚園で感染を広げてしまいます。アデノウイルス感染症も時々診ます。保育園などで流行していれば,その可能性が高くなります。当番医からの報告でも,検査キットが足りずに,アデノウイルス感染症疑いだけど,確定診断ができなかった子どもが何人もいましたという報告をよく見ます。アデノウイルスは特効薬がありませんので,診断してもそのまま経過をみるしかないのですが,他の人への感染を防ぐという点からは,はっきり診断できた方が良いです。このように,今の時点で,インフルエンザや溶連菌感染症,アデノウイルス感染症などの流行がみられますので,年末年始や1,2月は感染症に注意が必要と思われます。

12月24日は休診です。

年末年始の休みは12月29日〜1月8日となります。1月14日と1月21日は休診です。1月28日は当番医です。29日は午後休診です。

2月4,18日は休診。

サンタ通信No293(12)裏 R5.12.18発行