サンタ通信No290(09)表 R5.09.18発行

インフルエンザワクチンの予約開始

 暑い夏も峠を越え,少し耐えられるくらいになってきました。体も暑さに対してようやく順応してきたのかもしれません。秋のさわやかな気候が待ち遠しいです。夏休みにもかかわらず,コロナとインフルエンザの流行がだらだら続いていましたが,新学期を迎え,人の移動が少し落ち着いてきたせいで,感染症が少し落ち着いてきました。9月3日は当院が当番医を担当しましたが,受診患者数は115人でした。この時はインフルエンザA型11人,新型コロナ9人,溶連菌感染症2人,ヒトメタニューモウイルス感染症2人,ヘルパンギーナ1人,手足口病1人でした。朝8時半から夜8時まで診療し,休憩はお昼にバナナ2本食べてトイレに行っただけでした。相変わらず当番医は忙しいですが,冬場の当番医に比べたらまだ余裕があります。

 さて,最近1週間(9月4日~9月10日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,新型コロナウイルス感染症で週5人でした。次いで,インフルエンザA型2人,溶連菌感染症2人,感染性胃腸炎1人,手足口病1人,ヘルパンギーナ1人,突発性発疹症1人でした。全体的に感染症の流行は落ち着いていて,乳幼児で咳込みが強い場合は,RSウイルスやヒトメタニューモウイルスによるものが目立っていますが,患者数はそれほど多くはありません。年齢が小さいほど重症化しやすいので,兄弟が咳込んでいる時には,新生児や乳児に接触させないようにしましょう。

 新型コロナの患者さんは1年くらい前に罹患したことがあり,2回目の感染だったという人が増えてきました。元々のコロナウイルス感染症というのは,冬に多くみられる風邪の原因ウイルスで,小学生になる頃にはほとんどの人が感染を経験し,生涯にわたり何回も感染するウイルスですので,今流行している新型コロナウイルスも複数回感染するだろうと思われますが,感染を繰り返す度に軽症化するのかはまだ不明です。ただ,感染すれば,身体は免疫をつくりますので,理論上は次第に軽くなるはずですが,ウイルスが変異を繰り返せば,その度に強い感染が起こることも考えられます。数年単位でこの感染症をみていけば,これらの問題もはっきりしてくると思います。

 10月からインフルエンザワクチン接種が始まります。例年通り,1回3,000円で予約を開始しています。ワクチン量は十分ありそうですが,私1人で接種できる人数には限りがあります。早めにご予約を。

 

 9月25~27日は休診となります。

 10月8日と22日は休診となります。

 11月5日と12日は休診となります。20日午後~24日は休診となります。

サンタ通信No290(09)裏 R5.09.18発行

インフルエンザについて

 今年はインフルエンザが夏場にも流行しています。コロナで感染予防に明け暮れていた時期から,一転。行動制限がなくなり,一斉に通常の生活に戻りましたので,感染症が以前と同じように流行するようになりました。同じ規模での流行ならば,インフルエンザは夏には流行しないはずですが,2〜3年間インフルエンザの流行がなかった反動で,感染する人が多くなり,夏場にも一定の流行がみられたのです。そうすると,冬はいつもの流行に加えて,今流行している数が上乗せされる可能性があります。例年12月から2月にかけて,インフルエンザの患者さんが殺到することを考えると,ワクチンで発症予防,重症化予防しておくと安心だと思います。

 インフルエンザの治療に関しては,タミフルやイナビル,ゾフルーザなどの薬を使うと,症状は軽くて済みます。翌日には解熱したということはよく経験します。ただし,軽くて済んだということは,患者さんの体には免疫が十分できずに,機会があればまた早期に感染することが起こります。重症化しにくい,元気な小学生以上のお子さんには,治療薬を使わないという選択肢もあります。発熱期間が長くはなりますが,繰り返し罹患することを避けられます。

 タミフルで異常行動が起こりやすいという問題で,10年以上前には,10歳代の患者にはタミフルを服用しないように国から指導がありました。その後服用しても,服用しなくても,同じ程度で異常行動が起こると判定され,今では10歳代にもタミフルを処方できるようになりました。しかし,タミフルには興奮作用が少しあり,異常行動を起こすお子さんを時々経験しますので,10歳代の方にはタミフル以外の薬を処方することが多いです。イナビルやゾフルーザの投与では,異常行動をあまり経験しません。イナビルは吸入薬ですから,吸入ができる年齢に限られ,ゾフルーザは錠剤ですから,錠剤を服用できる年齢が対象になります。また,ゾフルーザは1回投与で効果があるというすぐれた特徴があり,使いやすい薬ですが,一方で、耐性ウイルスが出やすい傾向があり,注意が必要です。

旅行はリフレッシュの手段

 学生時代から夜行列車を使って山陰地方を横断旅行したり,紀伊半島を1周したりと,気ままな一人旅をよくしていました。小児科医になってからも,各地で開催される学会では,その地域を歩き回っていました。開業してからは海外に行くことが多くなり,ツアーを利用したり,個人で旅行したりしました。海外旅行の回数を数えてみたら,70回を超えていました。開業すると自分で休みを決められるため,1年間の当番医が決められた時に,1年間の旅行計画を立てます。海外への特典航空券を使う場合は,1年前でないとなかなか取れないという事情もあります。マイルがどれくらい貯まっているのか,長距離のビジネスクラスが取れるのかなど,条件をクリアしながら,夏休みはここに,お正月休みはあそこにと考えていくのは,楽しい作業です。

 短いお休みは国内旅行や東南アジア旅行に当てるようにしています。ストレスの多い仕事から一息つける旅行は,本当にリフレッシュできます。また仕事を頑張ろうと意欲も湧いてきます。ただ,昔のように海外でレンタカーを使って,宿も日程も決めずに自由な旅をしていくのは,難しくなってきました。宿を探したり,B&Bで家主さんといろいろお話をしたりするのは,英語を十分に話せないと結構ストレスになります。それよりは航空券を取って,ホテルを決めて,好きな所に行き,ホテルライフを楽しむ方が楽で,年齢を重ねるごとに徐々に楽な旅行になってきました。ただ,コロナ後の海外旅行は,それまで旅行を我慢していた人が,一斉に出かけ始めましたので,チケットが取りにくかったり,ホテル代が円安の影響で高くなっていたりと,全体の旅行代金が跳ね上がっているのが問題です。