サンタ通信No283(02)表 R5.02.18発行

新型コロナ第8波は収束傾向

 寒さが一段落し,春の足音が聞こえ始めました。コロナの第8波もようやく収束傾向ですね。このまま収束してくれるといいのですが,収束のスピードはかなりゆっくりです。インフルエンザもA型が少し流行しましたが,コロナ以前の流行からすると,感染者数はそれまでの2〜3割くらいでしょうか。その他の感染症もこれまでとは違い,少しずつみられるようになってきました。さすがに行動制限がなくなり,人が自由に移動するようになって,外食や宴会の機会も増えましたので,人から人へ感染する機会が多くなったのだと思います。海外からの往来も多くなっています。少しずつ元の生活に戻っている感じがします。ただ,日本ではほとんどの人がマスクをしており,マスクが感染防御に対して大きな効果があることを実感しています。マスク生活を変えようと,政府は3月13日から屋内外を問わず,マスク着用を個人の判断に委ねると発表しました。コロナが軽症化したため,ある程度のコロナ流行は仕方ないと判断したのだと思います。これは,マスクをする,しないを自分で決められるというもので,もちろん感染が怖い人はマスクをして自己防衛をします。特に重症化しやすい高齢者や基礎疾患を持つ人は,流行が収まるまではマスクをした方が良いと思います。感染の危険性を自分で考えながら,自分の身は自分で守ってくださいということだと思います。飛行機の中でマスクをせずに飛行機を降ろされた客がニュースになったこともありましたが,自分で選択できるようになるということは幸せなことです。

 さて,最近1週間(2月6日〜2月12日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのはインフルエンザA型で週5人でした。次いで,新型コロナ3人,感染性胃腸炎2人,RSウイルス1人,アデノウイルス1人でした。全体的に感染症は落ち着いています。発熱の患者さんが受診された時に,周囲にどんな感染症が流行しているかを聞いて,何の検査をするか決めます。ほとんどの感染症は解熱剤を処方し,経過をみることがほとんどですが,細菌感染が疑われる場合は抗生剤を処方します。インフルエンザで熱が4,5日続いている人は,肺炎や中耳炎などの合併症を起こすことがあり,おかしいと思ったら血液検査をするようにしています。新生児や乳児では急変しやすいこともあり,気になる時は毎日のように経過をみることもあります。病院を受診するかどうか迷う時は,遠慮なく電話で問い合わせしてください。

 2月23日(木)天皇誕生日は当番医を担当します。3月19日(日)も当番医を担当します。4月15日(土)は学会のため休診となります。

サンタ通信No283(02)裏 R5.02.18発行

新型コロナ感染症がインフルエンザと同等に

 今年5月から政府は新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げると発表しました。今は2類です。この数字は病気の危険性により,法律で決められています。1類はエボラ出血熱など,致死率の高い病気を指定しています。ちなみにエボラ出血熱の致死率は80〜90%と報告されています。2類には,この新型コロナの他,結核,鳥インフルエンザなどがあります。3類はコレラ,赤痢,腸管出血性大腸菌感染症などです。4類は日本脳炎,A型肝炎,オウム病,狂犬病,つつが虫病などです。5類は季節性インフルエンザ,溶連菌感染症,百日咳,風疹,麻疹,水痘,破傷風などがあります。その病気の重症度と感染力などを勘案して指定されています。新型コロナも最初は亡くなる人が多くて,致死率はデルタ株の時期は80歳以上で8%程度,季節性インフルエンザの1.7%と比べると,非常に怖い病気だということで,2類相当の病気に指定されました。ウイルスの変異が進み,オミクロン株では前述の死亡率は1.7%と季節性インフルエンザ並みになり,5類への引き下げが決定されました。子ども達にとってコロナ感染症はそれほど怖いものではなかったので,私はもっと早くに5類へ引き下げても良かったのかなと思います。

 ただ,2類から5類になることで,発熱に気づいてもコロナの検査を受けなかったり,コロナの診断を受けたのに隔離期間を守らなかったりすることが多くなりそうな感じがします。発症翌日から7日間は療養期間として学校や仕事を休まなければなりませんが,軽症の人は1〜2日で解熱しますので,早く通常の生活に戻りたいと思うでしょう。デルタ株の頃は発症後10日間は自宅隔離が必要でしたが,オミクロン株が主体となった頃に,発症後7日間の隔離に変更されました。今後,2類から5類に引き下げられるに伴い,隔離期間の変更が発表される可能性もありますが,ウイルスの感染力は変わりませんので,症状のある人はしっかりとマスクをして,感染防御を心がける必要があります。

束の間の休息

 2月に5日間のお休みをいただいて,フィリピンのセブ島にダイビングに行ってきました。日本では雪が降るこの時期に,ダイビングできないことはないのですが,シニアダイバーとして無理をしたくありません。セブ島では真冬でも気軽にダイビングが楽しめます。日中の気温は30℃以上で,日差しが痛いほどです。セブ島では,コロナ禍の中,2021年12月には大きな台風が直撃し,ほとんどのリゾート施設が大打撃を受けました。私がよく泊まるシャングリラホテルもダイビングボートが発着する桟橋が壊れ,世界的に有名なスパのジャグジーが壊れるなど,その被害を心配していましたが,桟橋もようやく使えるようになりました。スパのジャグジーはまだ復旧できていませんでした。コロナの影響が少なくなって,観光業に力が戻れば,セブ島は以前のような賑わいが戻ると思います。

 リゾート内は欧米のお客さんが多いため,マスクなしで過ごしている人がほとんどですが,ホテルスタッフは感染対策をしっかりしていますという意味で,全員がマスクを着用しています。外で働く人もマスクをしています。新型コロナが拡大していた頃は,フィリピンは世界で最も厳しいマスク着用義務がありました。マスクとフェイスシールドの両方を着用しなければならなかったのです。例えば,フィリピン航空に乗る時もお客さんが自分でフェイスシールドを準備しなければ飛行機に乗せてくれませんでした。医療基盤が弱いフィリピンですから,国民をコロナから守るために,徹底的に感染防御していたわけです。しかし,フィリピンも屋内でのマスク着用を昨年末から撤廃しました。医療機関や公共交通機関だけがマスク着用が求められています。世界中が元に戻りつつありますね。