サンタ通信No292(11)表 R5.11.18発行

インフルエンザが流行中

 天気が良い日は,霧島あたりを散策したくなるような良い気候になりましたね。えびの高原はススキに覆われ,紅葉も色付いてきていることでしょう。しかし,この時期は保育園の内科健診や小学校の就学時健診など,休みの日に仕事をしなければならず,遠出はなかなかできません。そのため,日曜日の診療を2日間だけお休みにしましたが,日曜日に休むことがほとんどなかったため,日曜日にイオンに買い物に出かけてびっくりしました。駐車場が満杯で,駐車スペースを探すのに時間がかかりました。平日はすぐに駐車できるので,日曜日の買い物や遠出の大変さが分かりました。考えてみると,25年間ずっと日曜日は働いていましたので,イオンの駐車場は無駄に広いと感じていましたが,休日にちょうど満杯になるくらいの広さを確保しているのだと改めて認識しました。

 さて,最近1週間(11月6日~11月12日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,インフルエンザA型で週6人でした。その他は,感染性胃腸炎1人だけでした。休診日が多かったので,患者総数も少ない週の報告ですが,インフルエンザ以外は落ち着いています。例年だと,インフルエンザの患者さんは11月はまだほとんどいませんから,この時期に一定のインフルエンザ流行がみられるということは,年末年始に人が移動したり,忘年会や新年会などに人が集まりますので,さらに流行することが予想されます。人混みに行く場合や近くにインフルエンザの患者さんがいる場合など,マスクで感染予防を心がける必要があります。

 インフルエンザの治療方法については,抗ウイルス薬(タミフル,イナビル,ゾフルーザなど)を使い,ウイルスの増殖を止めて,軽症ですむようにすることができます。インフルエンザ陽性を確認するのに発熱後12時間くらいはかかるのですが,この抗ウイルス薬は早く使えば早いほどよく効きます。ですから,発熱後12時間で治療を開始した場合は,多くの患者さんが1日ほどで解熱します。反対に発熱後2日以上経ってしまった場合は,ウイルスの増殖は終わっていますので,そこから増殖を抑える薬を服用しても意味がありません。発熱後1日半くらいで検査をして,インフルエンザと診断した方には,抗ウイルス薬があまり効かないので,自然経過でみましょうかとアドバイスします。

 

11月20日午後~24日は休診です。

12月10日と12月24日は休診です。

年末年始の休みは12月29日〜1月8日となります。1月14日と1月21日は休診です。

サンタ通信No292(11)裏 R5.11.18発行

発熱外来を通常外来に戻せるか?

 新型コロナウイルス感染症の外来診療が始まった時に,感染予防の観点から発熱者を導線で区別し,コロナの可能性が高い患者さんには,車の中で待機してもらい,診察も検体採取も車内で行った時期がありました。コロナが軽症化してきて,車内での診察は不十分な診察になるので,そろそろ止めませんかという意見が出て,今は車庫での診療と検体採取を時間を限定して行っています。季節性インフルエンザと同じ扱いで良いと国は考えていますが,マスクは必須で,手袋やガウンは必要に応じて使用することになっています。大人の外来ならば発熱した人は,マスクをしっかり着けて,飛沫予防をしてくれますので,待合室で一緒に待っていても,他人への感染はかなり防げると思います。ただ,小児科の外来では,子どもはマスクがうまくできなかったり,2歳未満の子どもにはマスクをつけることの方が危険性が増すと言われますので,感染予防を患者さんに求めることは難しいです。コロナ以前は,一つの待合室で,診察室も一つで診療していました。インフルエンザの流行期も,発熱している人とそれ以外の人をしっかり分けて,インフルエンザの診断がつけば,すぐに隔離部屋で対応していました。それでも子ども達はコロナやインフルエンザなどを病院でもらってしまう可能性はあります。学校や保育所などでも同様に,感染症をもらってしまうわけですから,小児科の外来も少しずつ発熱外来から通常の外来に戻していくしかないだろうと思っています。これからは,みんなが感染しないように厳密に予防するよりも,コロナが重症化しやすい高齢者や基礎疾患を有する人に対して,しっかり感染予防をしていき,子ども達にとっては,特別な病気ではなくなると思います。今はインフルエンザの流行が続いていますので,今の発熱外来の体制を続けますが,経過をみながら一般外来に戻すようにしていきたいと思います。

小児科は何歳まで?

 患者さんからよく聞かれます。「何歳まで小児科にかかれますか?」小児科を標榜する時に,対象患者の規定はありません。小児科単独のクリニックもあれば,内科・小児科の両方を標榜するクリニックもあります。また,小児科を挙げずに内科だけを標榜している所もあります。小児科の先生達が入会している日本小児科学会は,15年ほど前にこのような提言をしています。

 小児科が診療する対象年齢を,現在の「中学生まで」から「成人するまで」に引き上げること。そして,その運動を全国的に展開することを,平成18年4月に決定しました。これまで小児科に通院していた15~20歳の方はもちろん,これまで小児科に通院していなかった15~20歳の方もどうぞ,気軽に小児科医に御相談下さい。小児科医は,積極的に診察して参ります。

 つまり,高校生になれば,小児科よりも内科に行くことが多かったのを,成人するまでは小児科が診ますよという呼びかけです。小児科はとても守備範囲の広い診療科です。内科で循環器や呼吸器,神経,内分泌,消化器など別れている分野も,小児科はすべて対象になるため,小児科医もそれぞれ得意にしている分野があります。私は大学病院と市立病院に勤務している時に,てんかんなどの小児神経外来を担当していましたので,小児科の専門医だけでなく,小児神経専門医も取得しています。自分の得意分野を極めながら,それ以外の分野については,それぞれ得意にしている先生の所に患者を紹介して診てもらいます。また,内科はその先生の得意分野を標榜していますので,特定の分野の病気については,内科の専門医の方が詳しい場合もあります。感染症については,ほとんどの小児科医がたくさんの患者を治療していますので,どこの小児科でも適切に診療してもらえると思います。ただ,休日当番医では小児科が内科の数倍の患者さんを診ますので,高校生以上の方は内科の方がゆっくり診てもらえると思います。