サンタ通信No264(07)表 R3.07.18発行

暑い夏が来た!

 長かった梅雨がようやく明けて,夏の日差しが肌に痛いです。先日,坊津でダイビングしましたが,真っ赤に日焼けしました。日焼け止めを使うべきでしたが,日焼け止めは海に優しくないのです。パラオやハワイでは,マリンスポーツでの日焼け止めが制限されています。パラオでは海外旅行者が有害な日焼け止めを持ち込むと没収します。海の生物に対して,日焼け止めの成分が悪影響を及ぼすからです。ハワイでは没収するまでの強い対策はとりませんが,有害成分の入った商品の販売や流通ができないため,ハワイで売られているものは,海に有害な成分が入っていない日焼け止めだけになっています。

 さて,いよいよオリンピックが始まりますね。観客を入れるかどうか,紆余曲折はありましたが,ほとんど無観客での開催になりました。今の首都圏の感染状況やワクチンの進捗度から考えると,妥当な判断だと思います。これまで頑張ってきた世界中の選手たちに対しては,テレビで応援をしたいと思います。

 最近1週間(7月5日〜7月11日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,咽頭結膜熱3人と溶連菌感染症3人でした。次いで,感染性胃腸炎2人,水痘1人でした。咽頭結膜熱はアデノウイルスが原因で,数日間高熱が続き,結膜炎を伴います。飛沫感染もしますが,目をこすって人に接触させることでも感染しますので,家族で同じタオルを使わない,石鹸で手を洗うなどの注意が必要です。治療法はありません。食事が摂れていれば,安静にしていると4,5日で解熱します。集団生活に戻れるのは,解熱後2日間経過してからになります。

 溶連菌感染症も少し目立ちます。飛沫感染の病気で,マスクで予防できるのですが,他の細菌よりは感染力が強いので,流行するのだと思います。のどの痛みと発熱が主症状で,時々体に細かい赤い斑点が出ることがあります。この斑点で溶連菌だろうと診断がつくこともあります。昔は猩紅熱と呼ばれて,1998年まで法定伝染病になっていました。この病気は抗生剤がよく効きます。抗生剤を飲み始めるとすぐに解熱しますので,もう治ったと薬を止めてしまいがちですが,最低でも1週間は飲み続けないと,すぐにぶり返します。のどを拭う簡易キットですぐに診断できます。家族内やクラス内での集団発生がよくみられる疾患ですが,マスク生活しているので,あまり大きな流行にならずにすんでいます。

 夏カゼの代表である手足口病やヘルパンギーナは,この時期流行するのですが,昨年も流行はほとんどありませんでした。今年も流行の気配はありません。コロナによるマスク生活で流行が抑えられるのは,この夏カゼのウイルス(エンテロウイルス,コクサッキーウイルス)やインフルエンザウイルスと思われます。今の感染予防体制が続けば,これらの感染についてはあまり流行しないですむと思われます。

 お盆休みは8月13日〜14日になります。 

 8月15日(日)は当番医です。救急患者優先です。お急ぎでない方は翌日の受診がお勧めです。

サンタ通信No264(07)裏 R3.07.18発行

コロナワクチンのスケジュール

 鹿児島市は接種券を年齢を基準に,段階的に発送することにしました。7月中は40歳までの人が対象で,8月2日には12歳から39歳の人に接種券が郵送されます。予約開始日も段階的にずらしています。これまでの接種計画では,予約サーバーがパンクしたり,電話が繋がらなかったりと,トラブル続きでしたので,少しずつ予約が進むように工夫しているのだと思います。ただ,ワクチンの供給がどのくらいのペースになるのかや,どのメーカーのワクチンになるのかなど,まだ不確定要素が多いです。国からはワクチン供給がこれまで通りにはできなくなったとのことで,接種のスピードを落とすように指示が出てきました。ワクチンをやりくりしながら,今年中には,希望者にワクチン接種をどうにか終えられるのではと思います。

 ところで,イギリスは対象者全員の2回目接種が今年夏に終了する予定です。今年秋からは追加の3回目接種を始めるようです。変異株による感染拡大を阻止する目的で,これまでの2回接種でできた抗体をさらに高めるために,追加の3回目接種を行うことになりました。高齢者や医療関係者など,リスクの高い人が対象のようですが,日本も同じような経過をたどるかもしれません。これから先は,インフルエンザのように流行状況や重症度を見ながら,追加接種が繰り返し必要になるのかもしれません。欧米のワクチン接種が日本より先行していますので,そこでの成績を参考にしながら,日本も効果的な予防策を作っていけると思います。

旅行に行けるのはいつ?

 鹿児島県はコロナに対する警戒基準をステージ2に引き下げました。これに伴い,停止中だった県民向け旅行割引「今こそ鹿児島の旅第2弾」を再開しました。さらに「プレミアム付きかごしま旅クーポン」を発行して,旅行を喚起しています。苦境にある観光業界を救うためですが,都心ではコロナの第4波が広がっていますので,鹿児島でも用心深く進めないと,また感染拡大に戻る可能性があります。首都圏との人の移動がなくなることはなく,東京の感染拡大が地方にも及ぶのは避けられないでしょう。

 ワクチン接種で先を行くアメリカでは感染が落ち着き,7月の旅行者がコロナ前の水準に回復してきています。車と飛行機による旅行が主で,電車やバス,クルーズなどはまだ落ち込んでいます。日本も同じような経過をたどると考えられます。ワクチンを済ませた年代の人たちが,国内の比較的感染が落ち着いている地域を訪れています。奄美大島に行った知人によると,これまでガラガラだった飛行機が結構混んできたと話していました。1年半旅行ができなかった人たちが,そろそろ旅行をしたいと考える時期です。しかし,ワクチンをしても重症化しないだけで,感染するリクスは残っています。日本全体で集団免疫ができあがるまでは,Go Toトラベルのような積極的な旅行喚起策をとると,また感染の大きな波を作りそうです。少しずつ様子をみながら,徐々に旅行者を増やしていけば良いと私は思います。