サンタ通信No257(12)表 R2.12.18発行

コロナに振り回された1年

 今年も残り少なくなってきました。世界中がコロナの渦の中に巻き込まれてしまった1年でした。2019年12月に中国武漢市で原因不明の肺炎が多発し,新型コロナウイルスによる肺炎と判った時には,すでに武漢中に感染が広がっており,中国は武漢を封鎖して対処しましたが,中国全土に広がってしまいました。中国は国を挙げてコロナを抑え込みましたが,2月にはイタリアや韓国など,世界中に広がってきました。日本でも3月には志村けんさんがコロナで急死し,コロナの怖さを全国に知らせることになりました。緊急事態宣言を出してコロナを抑え込む対策をとりましたが,残念ながら第1波,2波,3波と流行が押し寄せる事態になりました。世界と比べると日本は患者数が少なく,感染をある程度抑えています。アメリカでは1日20万人の感染者が発生し,1日2,000人死亡するという悲惨な事態です。マスクをするだけでもかなりの予防効果があるのに,アメリカではマスクをしない人が多いです。どうしてマスクをしないのでしょうか?例えば,インフルエンザの治療でも日米で大きな違いがあります。日本は発熱したら病院を受診して,インフルエンザの検査を受け,タミフルなどの抗ウイルス薬を服用します。アメリカは発熱があっても病院には行かず,解熱剤を薬局で購入して服用するくらいです。インフルエンザは自然軽快するし,その方が免疫もできるからと考えています。ですから,コロナに対しても,風邪のウイルスと考えて,マスクをしなかった人が多かったのだと思います。しかし,1日2,000人も亡くなる怖さを知って,マスクをすべきだとアメリカの人も次第に考えを改めるようになったのだと思います。

 さて,最近1週間(12月7日〜12月13日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,手足口病4人でした。次いで,RSウイルス感染症3人,溶連菌感染症3人,感染性胃腸炎3人,水痘1人,突発性発疹1人でした。子どもの感染症は全般的に抑えられています。インフルエンザも鹿児島市ではここ数か月で1人だけです。飛沫感染するコロナだけではなく,インフルエンザも感染が抑制されています。マスクができない0〜3歳くらいの年齢で流行する手足口病やRSウイルス感染症はある程度の流行がみられています。今月に入り,1か月のRSウイルス患者3人を診断しました。新生児ではそのまま入院を勧めますが,1か月の乳児では,入院せずにすむこともあるため,哺乳量が減ってきたり,ゼイゼイするようになれば入院するように指示しています。3人とも兄弟が咳込んでいましたので,兄弟間の感染だと思います。新生児や3か月までの乳児には,咳をしている人を近づけないようにしましょう。

 これだけ子どもの病気が少なくなると,外来は暇になります。当番医を12月6日に担当しましたが,91人の受診がありました。他の小児科当番医よりもかなり多い数です。 当院は日曜診療しているため,かかりつけの患者さんが当番医とは知らずに受診されるからだと思います。

 

12月29日〜1月3日は休診となります。

2月14日(日)は当番医です。救急患者さんが優先になります。

サンタ通信No257(12)裏 R2.12.18発行