サンタ通信No245(12)表 R1.12.18発行

インフルエンザ大流行中

 今年もあと少しで終わります。1年経つのが早くて,今年は何をしようかと考えながら新しい年を迎えたのに,今は来年は何をしようかと考えています。幸いなことに,今年1年は体の不調もなく,無事に診療を続けることができました。日曜診療も続けることができました。65歳という年齢になり,あまり無理なことはできなくなりましたが,ジムに通ってランニングしたり,ダイビングもまだ楽しめていますので,今の診療体制は維持できると考えています。今年も児童虐待など,不幸なニュースが多かったですが,経済的な豊かさを求める今の社会には,心の豊かさが必要なのではないかと思います。自分の周りには必ず幸せがあるものです。それを感じられる心を持ち,全てのものに感謝しながら生きていけば,自分中心の生き方にはならずに済みます。それは,弱い者を慈しむ心にも通じます。そんな社会になれば,児童虐待など決して起こりません。

 さて,最近1週間(12月9日〜12月15日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,インフルエンザで週43人でした。次いで,咽頭結膜熱4人,感染性胃腸炎2人,溶連菌感染症2人,手足口病1人,突発性発疹1人でした。インフルエンザが急激に増えており,鹿児島市内は小児科1軒当り週10人程度ですが,当院は日曜診療しているため,発熱した子どもが受診することが多く,週43人になっています。10月から流行が続いていて,患者数も右肩上がりで増加中です。今シーズンはB型が1人だけで,それ以外の人は全員A型です。患者年齢は小・中学生が多く,乳幼児はまだ少ない印象です。治療薬について,新薬のゾフルーザ錠剤は1回服用するだけで済むため,これまでたくさん処方されてきました。タミフルよりも効き目が強い印象をもっていますが,耐性ウイルスの問題があり,注意が必要です。小児では約3割の子どもに耐性ウイルスが検出されたという報告があり,耐性ウイルスが感染した場合は,ゾフルーザの効き目が悪くなります。もちろん,薬が効かなくてもインフルエンザは自然治癒しますので,もし耐性ウイルスに当たっても,発熱が1〜2日長くなるだけで,それほど心配はありません。ゾフルーザは錠剤しかないため,小学生以上の人が対象ですが,これ以上耐性ウイルスが増えるようなら,ゾフルーザの使用価値は低下しそうです。当院では散剤を希望される時はタミフルドライシロップ,吸入ができる人はイナビル吸入粉末剤,錠剤を希望される人には,タミフルカプセルかゾフルーザ錠剤のどちらを希望するのか,説明した上で決めるようにしています。

 インフルエンザ以外の感染症は,現在あまり流行していません。しかし,アデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)や伝染性紅斑(りんご病),ウイルス性の嘔吐下痢症,溶連菌感染症などが時々みられています。お子さんの周りでどんな感染症が流行しているのかをいつも注意しておきましょう。

 

 12月30日(月)午後から1月7日(水)まで年末年始のお休みになります。

 1月12日(日)は学会のため,休診となります。代わりに1月14日(火)は診療致します。

サンタ通信No245(12)裏 R1.12.18発行