サンタ通信No233(12)表 H30.12.18発行

1年間無事に過ごせました

 平成30年が無事に終わりそうです。一年を通して,大きな事故もなく,診療を続けてこられたのは,ひとえに患者さんのご協力の賜物と感謝しています。サンタこどもクリニックはこれからも子供達にとってのサンタであり続けたいと願っています。ところで,来年5月から新元号に代わります。私にとっては,昭和を長く過ごしてきましたので,平成よりも昭和の方の印象が強いのですが,さすがに平成も30年続くと,一つの時代が終わる感じがします。来年からどんな時代になっていくのか,楽しみでもあり,不安でもあります。それが平和な時代であることを祈りたいものです。

 さて,最近1週間(12月10日~12月16日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,インフルエンザで週9人でした。次いで,感染性胃腸炎5人,水痘5人,溶連菌感染症4人,RSウイルス感染症1人,伝染性紅斑1人,咽頭結膜熱1人でした。インフルエンザはすべてA型の患者さんでした。まだ患者数としては小さな流行ですが,徐々に数が増えてきており,また,年末年始の帰省を契機に毎年流行が拡大しますので,1月は要注意でしょう。インフルエンザの治療薬も,1回内服するだけで治療が終わるゾフルーザという錠剤を使い始めました。まだ錠剤だけしかないので,小学生くらいから上のお子さんが対象になりますが,錠剤の粒が小さいので,小学生低学年でも服用できるかもしれません。インフルエンザの診療では「いつから学校に行けますか」とよく聞かれます。発熱後5日間は休むことが絶対条件で,それに加え,小学生以上は解熱後2日すれば集団生活ができますし,保育園や幼稚園の場合は解熱後3日経過してからになります。

 感染性胃腸炎(ロタウイルスやノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎)をよく診ます。嘔吐が強く,ぐったりしているお子さんが時々いらっしゃるので,そんな場合は点滴をしています。ただ,嘔吐の回数が多くても,全身状態が良好ならば,吐き気止めの座薬で吐き気を抑えながら,経口補水液OS-1を10ccくらいずつ10分間隔で繰り返し飲ませると,点滴しなくてすむ人が大部分です。嘔吐は半日くらいで治りますが,下痢は長く続くことがあります。水のような下痢の時は,集団生活は待ちましょう。症状がある間は,おむつ替えの時など,手洗いを確実に行いましょう。親子で嘔吐下痢になることも多く,両親が発症してしまうと,お子さんの看病ができなくなりますので,感染防御は大切です。

 水痘が今流行しています。定期接種になったのがつい最近ですので,水痘ワクチンを一度も受けたことがないお子さんも結構います。その人たちが感染を拡げることになってしまいます。1回でも受けていれば,水痘にかかっても軽くすみます。2回接種していたら,ほとんど発症しません。大人になってかかると,症状が強く出ますので,ワクチンでの予防をお勧めします。水痘の時は,すべての発疹にかさぶたができたら,集団生活が可能になります。通常1週間のお休みが必要です。治療はウイルスの増殖を抑える内服薬を5日間服用させますが,ワクチンを受けている人は重症化しませんので,この薬を使う必要はありません。痒みを抑える内服薬と,発疹が化膿しないように塗る薬を使います。風疹が関東地方で流行しましたが,麻疹・風疹・水痘については,全員が2回接種すれば,完全に流行はなくなります。政府は,免疫のない39~56歳の男性に風疹ワクチン接種を無料で行うように決めましたが,じっと待っていても流行はなくなりません。積極的に免疫がない人に対して予防接種を受けてもらう方が良策だと私も思っています。

 

12月24日(月)は当番医を担当します。

12月28日(金)〜1月4日(金)は休診となります。

1月13日(日)は学会のため休診で,代わりに15日(火)を診療します。

サンタ通信No233(12)裏 H30.12.18発行