サンタ通信No223(02)表 H30.02.18発行

インフルエンザ流行のピークは越えました

 今年の冬は、寒さが厳しかったですね。雪が降った回数も例年になく多かったです。ジンジンしびれるような冷たい北風がよく吹きました。それでも植物は春の準備を始めています。モクレンやコブシの蕾が大きく膨らんでいます。たまに暖かい陽射しを浴びると、春が近いなと感じます。

 さて,最近1週間(2月5日~2月11日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは、インフルエンザで週104人でした。次いで、RSウイルス感染症5人、溶連菌感染症4人、感染性胃腸炎4人、手足口病1人、突発性発疹1人でした。2月11日が当番医でしたので、インフルエンザの数が多めですが、1月末から2月初めが今シーズンのピークで、少しずつ減少してきています。9割がB型、1割がA型で、圧倒的にB型が多いです。やはりB型が大きな流行を起こした年になりました。これからのインフルエンザの予想ですが、3月頃までは徐々に減少が続くと思われますが、B型に押されてA型にかかった人がまだ少ない感じがします。もしかすると、例年の逆で、B型に始まり、A型で終わる可能性もあります。3月いっぱいはインフルエンザの流行状況から目が離せないですね。ひと冬に複数回インフルエンザに罹患する人がいますが、例年は、A型が圧倒的に多いので、A香港型とAソ連型(現在は2009年に発生した新型インフルエンザに置き換わっています)という2つのA型にそれぞれかかり、さらに終盤にB型が流行しますので、そこでB型にかかるという形で合計3回かかる人がいましたが、今年はAB一回ずつの人が多かったです。B型には山形系統とビクトリア系統の2種類があり、今流行しているものは山形系統がほとんどで、B型に2回かかる心配はまずないでしょう。B型の特徴は発熱以外に胃腸症状(嘔吐や下痢)を伴いやすいことです。この時期に発熱と嘔吐、下痢がみられたら、B型インフルエンザを疑います。また、B型はヒトだけに感染するウイルスで、あまり変異を起こしません。そのため、1回かかると数年はかからずにすみます。ただし、早期に治療し、とても軽く済んだ場合は、十分な免疫ができませんので、また来年もかかる場合があります。対してA型は、ヒト以外にも豚や鳥に感染し、ウイルスの変異を起こしやすいため、動物間で感染していたウイルスがヒトへ感染するようになると、大流行を引き起こすことになります。2009年に新型インフルエンザが流行した時、豚インフルエンザからの変異でしたので、ほとんどの人が抗体を持っていなくて、世界的な大流行を起こしました。当初は病原性が高いという情報が流れ、空港の検疫所から病院へ、防護服に身を包んだ職員が患者を運ぶ映像が流れ、日本で患者発生が起こるたびに、接触した人も一緒に隔離され、会社や学校が休みになっていました。海外に行ったことのない人からも新型インフルエンザが検出されるようになり、国内での流行が確認され始めると、あっという間にほとんどの人が新型インフルエンザにかかってしまいました。幸い、それほど病原性が高くないことが判り、通常のインフルエンザと変わらない対処になりましたが、最近では鳥インフルエンザが人への感染を起こし始めています。豚インフルエンザよりも病原性は高いと言われていて、世界的な流行になってしまったら、私たちの暮らしに多大な影響が出ると思われます。

 インフルエンザ以外は、RSウイルス感染症と溶連菌感染症、感染性胃腸炎が少しずつみられますが、流行の規模は小さいです。RSウイルスは新生児・乳児がかかると、呼吸状態が悪くなり、入院になる場合が多いので、小さなお子さんのいらっしゃる家庭では、咳をしている人との接触を避けましょう。

 

 4月30日(月)振替休日は当番医を担当します。もともと休診日ですので、救急患者のみの診療となります。

サンタ通信No223(02)裏 H30.02.18発行

冬の当番医

2月11日(日)建国記念の日に、当番医を担当しました。朝8時半から診療を始め、終わったのは夜9時半でした。休みなしで13時間連続の仕事は毎回大変です。患者数は175人で、うち60人くらいがインフルエンザでした。救急車での急患要請がありましたが、とても受けられる状況ではなく、救急指定病院にお願いしました。ちょうど当番医前日に入院が必要な患者さんを紹介したら、いつもお願いする市立病院も生協病院もベッドの空きがなくて、紹介が大変でしたので、当番医の最中に入院が必要となれば、交渉に時間がかかるかもと、心配しながらの当番医でした。幸い入院になった方はいなかったので、ほっとしました。この日の当番医は、最初、当院だけが指定されていました。祝日は診療している小児科はなく、冬場は2軒体制になっているのですが、日曜日には当院を含め、数軒が診療しているため、祝日が日曜日に重なれば、1軒で十分だと思われたのでしょう。実際は、日曜日に診療している所は、すべて祝祭日休診を標榜していますので、実際は祝日の日曜日は、当番医以外は診療していません。翌日の振替休日に2軒の小児科当番医が割り当てられていましたので、2月11日に当院1軒だけが当番医になっているのは間違っていると、医師会事務局に指摘して、どうにかもう1軒増やしてもらい、2軒体制をとることができました。2軒目の小児科では160人の患者を診たようで、もし、当院1軒だけの当番医であったならば、当院に300人以上の受診希望者が来られて、大混乱に陥るところでした。休日診療をどのような体制にすれば、安心して市民生活を守れるのかを考えなくてはいけません。まずは、現在の休日診療体制がどうなっているのかを正確に把握して、これまでの受診者数から適正な当番医体制を考えることが必要です。

 県は子ども医療費の窓口無料化を目指しており、来年秋から住民税非課税世帯の未就学児については、窓口負担をゼロにする予定らしいですが、財源が足りなくて全ての子どもを対象にできないのが残念だとしています。窓口負担がなくなれば、お金がなくて病院に連れて行けないという人に対しては、朗報になりますが、それを診る医療側の負担も考えないと、小児科医が疲弊して、休日や夜間の診療自体が不可能になるかもしれません。安心して子育てをするためには何が大切か、行政はもっと広い目で考えてほしいです。

スキーの楽しさ

  ちょうど今、韓国の平昌でオリンピックが開催されています。スキーやスノーボードは、鹿児島にいると縁遠い遊びですが、熊本と宮崎の県境にある五ヶ瀬スキー場が一番近く、私もこれまでに数回滑ったことがあります。人工雪のため、カチカチの雪面になることが多く、ちょっと滑りづらいですが、今年は雪が結構降ったので、新雪を滑ることができそうです。以前、1泊2日でこのスキー場に行ったことがありました。フォレストピアホテルに泊まり、夕食後に近くの木地屋という温泉へ向かいました。23年前のことですが、車のナビが登場したばかりの頃で、目的地を入れると、道案内をしてくれるため、初めての道でも安心して運転ができました。ただ、ナビは最も近い道を指示してきますので、びっくりするような道を通ることがあります。国道から県道202号線に入るように指示され、山道に入って行きました。真っ暗な上、吹雪いてきて、車が離合できないような細いくねくね道をひたすら進むと、30分くらいで真っ暗なトンネルが突然現れて、そこを通るのが非常に怖かった思い出があります。後で土地の人に聞いたら、笠部隧道という旧道で、今はもう誰も通る人はいませんよと言われました。帰りは遠回りして、国道をそのまま帰ったら、10分で宿に着きました。この時にナビを信じてはいけないと学習しました。そんな五ヶ瀬スキー場で3回スキーをしましたが、南国のスキー場は、滑れない人が多く、コースの中で柱のようにじっと立ってしまうので、その人達を避けて滑らないといけません。しかし、私も初めてのスキーでしたので、直滑降しかできず、非常に滑りにくかった印象があります。そんな時、もっと広いスキー場で滑ってみたいと思っていたら、カナダのウィスラーで滑ってみませんかという誘いがあり、行ってびっくりしました。コースが200以上あり、ゴンドラやリフトが37基、一番長いコースは11kmもあります。どこを滑っても、人とぶつかる心配がありませんので、自分が滑りたい方向へどこへでも行けます。パウダースノーの中で1日滑っていると、相当転びましたが、スキーで滑るのはあまり難しくないことが分かりました。例えば、初めて自転車に乗るときに、ポールがあちこちに立っている道ではうまく練習できないのと同じでした。広い土地で自転車を走らせたら、転びながらもすぐに乗れるようになります。それから3年間はカナダでのスキーが冬休みの定番になりました。ターンが出来るようになり、深い雪のところも楽しめるようになると、次はスイスでスキーを楽しめるようになりました。景色はスイスの方が綺麗です。コースは鉄道の2駅分くらいの距離がある山麓をスキーで横断するスキー旅行ができます。年齢的にもう無理はできないため、最近はほとんどスキーをしなくなりましたが、広いスキー場に行く機会があれば、また滑りたいです。