サンタ通信No209(12)表 H28.12.18発行

Merry Christmas & A Happy New Year

 今年もあと2週間を残すだけになりました。今年もこのサンタをかかりつけ医としてご利用くださいましてありがとうございました。大きなトラブルもなく,無事に終えることができて,ほっとしています。来年も皆様のご期待に応えられるサンタでありたいと思っています。これからも,患者様の声に応えたいと考えていますので,ご要望があれば,ご遠慮なくお知らせください。

 最近1週間(12月5日~12月11日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,感染性胃腸炎11人でした。次いで,水痘5人,インフルエンザ4人,RSウイルス感染症4人,溶連菌感染症3人,手足口病3人,咽頭結膜熱1人,突発性発疹1人,おたふくかぜ1人でした。インフルエンザが少しずつ流行の兆しをみせています。例年よりも早い11月始めから散発的に発生がありましたが,その後の増加はなく,今でも週に2~3人程度です。A型だけが流行しています。現在は,周囲にインフルエンザと診断された人がいる場合や,急な高熱を認める場合など,疑わしい時に検査を行っていますが,これから患者数が増えてくれば,発熱で受診された人のほとんどにインフルエンザの検査が必要になってきます。おそらく年末年始で大勢の人が移動すれば,それに伴って,インフルエンザも拡散して,大流行になってきます。1月からは厳重な注意が必要でしょう。また,インフルエンザの流行期に苦労するのは,インフルエンザと溶連菌感染症などの他の感染症が合併している場合です。インフルエンザと診断され,治療したにもかかわらず解熱しない時に,インフルエンザの薬が効かなかったのか,他の感染症が隠れているのかを鑑別しなければなりません。インフルエンザと診断されて,薬をもらったら,もう安心と考えるのではなく,その後の経過をしっかり看てあげてください。特に高熱が続いているうちは,異常行動を起こすこともありますので,目を離さないようにしましょう。

 感染性胃腸炎も大きな流行になっています。嘔吐と水様性の下痢が主症状です。白い色の下痢便ならロタウイルスが考えられます。ロタの予防接種の補助が始まりましたので,入院になるような重症の胃腸炎が減少してきた印象があります。ノロウイルスによる胃腸炎も主症状は嘔吐と下痢です。ノロの場合は,便の色には特徴はありません。この2つのウイルスは迅速検査で確かめることができます。10~20分くらいの検査時間です。ただし,当院では迅速検査は行っていません。一つには検査の感度が低いために,本当は陽性なのに陰性と判断して,周囲に流行を広めてしまう危険性があるということと,診断されても,治療方法や対処方法は同じだからです。インフルエンザのように早期発見,早期治療ができれば良いのですが,特効薬はなく,吐気を抑えながら,水分補給と食事療法をするしかないのです。また,嘔吐下痢が周囲で流行している時に,嘔吐と下痢のお子さんがいれば,ほとんどがノロウイルスかロタウイルスによるものです。たまに,アデノウイルスが検出されることもありますが。ですから,周囲に広げないようにするには,嘔吐物をハイターで消毒し,便を触った時には徹底して手洗いをするしかありません。中には食品関係の仕事に就いているため,検査結果が陰性だったことの証明書を求める方もいらっしゃいます。

その場合には,検体を検査センターに送り,検査してもらいます。その日か翌日には結果が出ます。しかし,前にも述べましたが,陰性の結果が出ても,100%安全ではありません。症状があれば,感染性胃腸炎と考えて対処した方が正確だと思います。また,この季節は牡蠣の美味しい季節ですが,生牡蠣で食べると,ノロウイルス感染を引き起こす可能性があります。火に弱いウイルスですので,牡蠣鍋などで食べるようにしましょう。

 

 年末年始は12月26日(月)午後から1月3日(火)まで休診となります。

 1月2日(月)は当番医を担当します。

 1月8日(日)は学会のため,休診となります。

サンタ通信No209(12)裏 H28.12.18発行