サンタ通信No200(03)表 H28.03.18発行

インフルエンザがようやく減少

 初夏を思わせる陽気があったかと思えば,また寒の戻りがあって,安定しませんが,それでも少しずつ春に近づいているようです。庭のスイセン(シクラミネウス)が,この陽気で一気に黄色の花を咲かせました。ほとんど手入れをしないのに,雪もたくさん積もったのに,元気です。さすがに,外に置いてあったシンビジウムは,今年の寒さで全滅しました。10数年放置されたままでも,健気に冬を乗り切って,毎年花を咲かせていたのに,残念です。大雪の日に当番医でなければ,花は大丈夫かなと気がついたのでしょうが,これまで大丈夫だったからと油断して,雪枯れさせてしまいました。

 さて,最近1週間(3月7日~3月13日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは,インフルエンザで81人でした。次いで,溶連菌感染症78人,感染性胃腸炎10人,RSウイルス感染症7人,おたふくかぜ2人,突発性発疹2人,水痘1人でした。インフルエンザの流行がようやく減少傾向になってきました。A型:B型の割合は1:3で,その多くはB型です。気温も暖かくなってきており,4月になれば,いっそう少なくなるだろうと予想しています。入試を前にした患者さんに,インフルエンザの診断を告げなければならない状況も数回ありました。これまで頑張ってきたのに,本番で高熱と戦いながら,入試を受けるのはつらいですよね。合格できていると良いのですが。ところで,今年もインフルエンザに伴う脳症・脳炎の患者さんの報告が,鹿児島でもありました。脳症・脳炎になると,意識障害やけいれんが持続し,重症例では死亡することもあります。鹿児島市立病院に勤務していた頃は,この季節にはインフルエンザでけいれんを起こしたお子さんがよく救急外来を受診していました。大多数は熱性けいれんで,入院させることはありませんが,ただ,幻視・幻聴や異常行動が出現している時は,脳症・脳炎が疑われるため,入院させて経過をみなければなりません。冬の時期は入院ベッドの確保が難しく,小児科病棟だけでは足りなくて,大人の混合病棟で空きベッドがあれば,使わせてもらい,治療をしていました。小児科以外の科は,市内にいろいろ入院ベッドを持つ医療機関が多数あり,選択肢が多いのですが,小児科は大学病院,市立病院,生協病院が主な入院先になります。大学病院については,急性疾患の患者受け入れが難しく,インフルエンザ脳症などの急を要する患者については,市立病院と生協病院に入院を依頼します。ベッドが空いていれば,受け入れてもらえますが,どちらもベッド数はそれほど多くなく,冬場はほぼ満床のことが多く,ベッドをやりくりしてもらいながら,どうにか入院にこぎつけられて,ほっとすることが多いです。

 溶連菌感染症は,毎日10人以上診断していて,減る気配がありません。主に冬と春~初夏に好発時期があり,これからまだ増える可能性もありますので,注意が必要です。4月は新入学やクラス替えのために新しいお友達もできます。その時に,溶連菌をもらってしまい,発症することが多いです。うがいや手洗いを励行して,予防に努めましょう。また,感染したら,抗生剤をしっかり7~10日間服用しましょう。症状が治まったからと自己判断して,薬を中断してしまうと,再発して感染を拡大させてしまいます。鹿児島市の感染症情報では,小児科13軒の合計で,溶連菌感染症は週137人でしたので,当院だけで半分以上の78人を診断していることになります。他の小児科では,典型的な例のみを検査しているのか,あるいは使用している検査キットの感度の差が原因なのか,明確な答えは出ませんが,当院で使っているキットは,感度が結構良い印象があります。それぞれのキットを比較した文献にも,感度が良いと評価されていました。

 

 3月21日(月)(振替休日)は当番医です。救急患者の方が優先となります。4月以降は,診察日の変更があり,火曜日と金曜日が休診となります。同時に診療時間も変更ありますので,是非予約後に来院を。5月のゴールデンウィークは2~6日が休診です。

サンタ通信No200(03)裏 H28.03.18発行

4月から予約優先をさらに勧めます

 先月のサンタ通信でも触れましたが,4月から診療体制を大きく変更します。金曜日が休診になり,夜の診療も19時までとなります。今の診療体制を維持していきたかったのですが,5月からすべての診療を医師一人で行うことになりました。今でも土曜日や日曜日は,予約電話が鳴りっぱなしで,朝10時頃には一日の予約枠が埋まってしまい,さらに昼休みや受付終了後にも,なるだけ患者さんを受け入れるようにしてきました。しかし,2人の医師が診ていた数を1人の医師で診るのは不可能です。これからは診療を半分に縮小しなければなりません。予防接種や健診の予約も非常に取りづらいとのご意見も聞いていますが,自分の診療できる最大限の範囲で,原則として予約された患者さんのみを診療する予約制を取りたいと考えています。予約をせずに来院された方は,緊急度が低ければ,他の病院へ行ってもらうことになるかもしれません。もちろん,救急処置が必要な患者さんも来院されますので,すべて予約の通りに行くことはないのですが,混雑は少し和らぐのではと思います。この予約制が認知されるまでは,直接来院された方についてはこれまでと同じく,待ち時間を予約の方よりも長く待っていただくことになります。とりあえず4月から,直接受診された方には,次回から予約していただくように詳しいパンフレットをお渡ししたいと思います。また,診療時間も4月から大きく変更になりますので,その案内も一緒にパンフレットに記載したいと思います。4月いっぱいは医師2人体制ですので,余裕があると思いますが,5月からは同じ時間帯で,医師1人体制です。皆様のご協力をよろしくお願い致します。もちろん,予約をされて来院された方もパンフレットで変更点の確認をどうぞお願いします。

 予約の電話については,朝8時半から受けていますが,他の病院のように,ネットでの予約システムも考えています。電話の方が,患者さんの重症度を考慮して予約を組めることと,インフルエンザが疑われる時の予約では,受診に最適なタイミングでの予約を勧めることができるなど,メリットは多いのですが,朝,電話が1時間かけてもつながらないなど,デメリットも多いようです。もし予約システムの変更があった時には,是非,ご協力ください。