サンタ通信No300(07)表 R6.07.18発行

コロナと手足口病が流行中

 ようやく梅雨明けしました。いよいよ猛暑の夏が始まります。外での活動は無理をせず,涼しい所で休みながらしないと熱中症になってしまいます。数年前のゴールデンウィークの時期に北インドを訪れましたが,一年で一番暑い時で気温が50℃を超えます。お釈迦様が初めて説法を行ったサールナートの観光をしました。仏教の四大聖地の一つですが,あまりの暑さに家内は冷房が効いたレストハウスから出ようとしません。私はガイドと二人で高さ42m,直径28mのダメーク・ストゥーパを見に行きました。陽射しはじりじりと焼けつくようで,風が吹くと熱風が鼻から肺に入り込みます。サウナの中で観光している感じです。さすがにこれだけは見て欲しいとガイドが勧める所だけを見て,すぐにレストハウスに戻り,体を冷やすことが必要でした。インドで屋外労働している人がよく日陰で休んでいて,あまり仕事を熱心にしていないのは,そんな事情があるからですね。

 さて,最近1週間(7月7日~7月13日)の感染症情報です。1週間で最も多かったのは手足口病で週41人でした。その他には,新型コロナ感染症20人,RSウイルス感染症4人,感染性胃腸炎4人,溶連菌感染症2人,ヘルパンギーナ1人,突発性発疹1人でした。現在,手足口病と新型コロナ感染症が大きな流行になっています。今流行中の手足口病は手足の発疹が発熱よりも1日遅れて出現することが多いです。発熱は1〜2日間だけで終わります。手足口病には特効薬はありませんが,口の中を痛がり,食事や水分摂取ができなくなることがありますので,イオン飲料や常温に戻したスープなどを少しずつでも良いので,こまめに摂るようにしてください。痛みが強い場合は,解熱剤を鎮痛剤として使うことができます。座薬や内服薬を使った後,1時間くらいは痛みが和らぎます。

 新型コロナ感染症の患者が鹿児島県で急増しています。急に高熱が出ている場合は,まず新型コロナの検査をした方が良さそうです。学校や保育園などでは,適宜換気をすべきですが,猛暑の中で窓を開けたくはない気持ちも分かります。患者発生があれば,風が通る小さな換気口で良いので,時々換気をするように心がけましょう。また,体調が優れない時にお休みすることも大事です。小児では新型コロナで入院になることはほとんどありませんが,家族に高齢者や基礎疾患を持つ人がいれば,重篤な症状になることがあります。大きな流行の波にならないように各自注意が必要です。

 

7月21日は休診です。

8月5日〜15日は休診です。16日(金)は診療します。

9月15日と22〜25日は休診です。

 

サンタ通信No300(07)裏 R6.07.18発行

発熱患者も診察室で診察します

 新型コロナ感染症が発生してから,発熱患者の診察は院内の車庫で行ってきました。感染症5類移行になり,特別な対処が不要になりましたが,院内での感染予防という観点から,車庫を感染症専用の診察室にして,検体採取や説明などを行なってきました。コロナが疑われても,検査を希望されない方がいらっしゃいます。また,ほとんどの人がコロナ感染をすでに経験しています。病気の重症度としては,子どもの冬カゼだった旧コロナ感染症と同等くらいの病原性に戻ってきたのではないでしょうか。そろそろ新型コロナ感染症のための診察室を分けるという対策を止めて,すべての診察を通常の診察室で行いたいと思います。しばらくは発熱患者とそれ以外の患者を時間的に分けている今の予約体制を続けて,場所だけを通常の診察室に戻します。院内で待たれる時は,患者同士があまり近づかないようにしましょう。

サンタ通信300号に思うこと

 このサンタ通信は,ほぼ開業と同時に始まりました。クリニックから情報発信したいとの思いで,私の思いや流行中の感染症などについて,つたない文章でこれまで25年間毎月発行してきました。今月号には何を書こうかと迷うこともありましたが,旅行の紀行文で済ませた号もありました。仕上げるのに時間がかかりますが,読んでくださる人から毎月楽しみにしていますとか,感染症情報がためになりますなどのご意見をいただき,それを力にこの300号まで続けて来れました。年齢的に少し仕事の負担を減らそうと考え,このサンタ通信も2か月に1回の割合に減らすことにしました。毎月楽しみにされている方には,楽しみが半減してしまいますが,これからも心を込めて通信していきますので,ご期待ください。

図書館の利用について

 時間があれば図書館で本を借りて読んでいます。2週間の貸し出し期限がありますので,忙しい時はなかなか利用できないのですが,膨大な本を無料で借りられるのはとても嬉しいことです。最近は電子図書館も始まり,図書館に行かなくても本を読めるサービスも始まっています。93歳になる私の母は足腰が弱くなり,部屋の中の移動はできますが,車椅子対応の車でないと外出ができません。高齢者施設での生活ですが,定期的な病院受診は天気の良い日を選んで,車椅子を押して通院している状態です。施設の中で,デイサービスやリハビリなどの決められた時間は充実していますが,それ以外の時間は自室で新聞を読んだり,テレビを見たりしながら,時間を持て余しているようです。そのため,図書館に行ったついでに母が興味を持ちそうな本も数冊借りて母に届けるようにしています。2週間後の返却時にはすべて読み終わっていて,返す準備ができています。そんな高齢者にとっては,図書館に行かなくても読める電子図書館は便利なのですが,93歳にとっては操作が難しいです。操作できたにしても,ネットを利用する際は詐欺などの危険があり,あまり勧められません。これから増えてくる高齢者にとって,自宅に毎月数冊の本が入った箱が送られてきて,返却もその箱ごと送り返すだけのサービスがあれば,需要は多いだろうと考えます。高齢者が読みたい本は一人ひとり違うと思いますが,私も図書館が時に行う,中身の分からない本の包みを借りたことがありました。自分が興味のない本でも,読んでいけば面白かったりします。高齢者図書館のサービスは,有料でも受けたい人は多いでしょう。電子図書館を利用できず,図書館にも出かけられない人が本を読むことで,認知症の予防にもなります。手元に本が溜まってしまう心配もないため,宅配の利用料くらいでそんなサービスが受けられたらと考える今日この頃です。